
「夫はアスペルガーかも?」
そう気づく瞬間は、人によってさまざまです。
本を読んでいたら、ある特性の説明が夫にそのまま当てはまった。SNSで「カサンドラ症候群」という言葉を見つけて、自分のことだと感じた。あるいは、専門家から初めてその言葉を告げられた——。
私の場合は、最後のパターンでした。
産業医(精神科医)から、こう言われたのです。
「あなたはカサンドラ症候群の状態にあります。そして、ご主人にはアスペルガーの傾向があると考えられます」
先生に「あなたにカサンドラ症候群の傾向があります」と言われて、正直、とても驚きました。
と共に、自分自身に失望しました。
仕事はちゃんとこなしているし、家庭のことも完璧じゃないけど、私なりにちゃんとやってきた。なのに「あなたは病気です」と言われたような気がして、自分はダメだと烙印を押されたような気がしたことを覚えています。
「私は病気なの?」
それが私の「もしかして」の始まりでした。
もしあなたも今、似たような戸惑いの中にいるなら——まず知っておいてほしいことが、3つあります。
診断がなくても、「アスペルガー傾向」は存在する
「うちの夫は診断を受けていないから、アスペルガーではないかもしれない」
こう感じている方は、とても多いです。
アスペルガー症候群(現在はASD=自閉スペクトラム症の一部として分類されています)の正式な診断には、専門医による評価が必要です。しかし、「診断がない=傾向がない」ではありません。
専門家の間では、「スペクトラム(連続体)」という考え方が一般的です。特性の強さは人によって大きく異なり、日常生活に大きな支障をきたさないレベルであれば、診断がつかないことも多くあります。
つまり、「診断されていないからアスペルガーではない」のではなく、「診断はついていないが、傾向はある」という状態が、現実には多く存在するのです。よく「グレーゾーン」と言われる領域です。
では、「傾向がある」とはどういうことか。たとえば、こんな特性がみられることがあります。
- 相手の気持ちや意図を「察する」ことが難しい
- 会話がかみ合わない、話が突然別の方向に飛ぶ
- 強いこだわりがあり、予定の変更や曖昧さに強いストレスを感じる
- 表情や声のトーンから感情を読み取ることが苦手
- 外では問題なく振る舞えるが、家ではエネルギーが切れたように別人になる
どれか一つが当てはまるからアスペルガーだ、ということにはなりません。ただ、夫婦関係の中であなたが感じてきた「なぜかかみ合わない」「いくら話しても伝わらない」という違和感は、この傾向と関係していることがあります。
あなたが長い間感じてきた「何かがおかしい」という感覚は、根拠のない思い込みではないかもしれないのです。
私の場合は少し特殊でした。私自身、持病のメニエールが悪化して診察を受けた際、その原因として「カサンドラ症候群の状態にある」と指摘されたのが発端でした。そして「ということは、ご主人にはアスペルガーの傾向があると考えられます」と告げられました。
医師に勧められ、メニエール改善への協力という名目で、夫と共に一度だけ夫婦カウンセリングを受けましたが、夫は、「あなたにはアスペルガーの傾向がある」という医師からの言葉を受け入れませんでした。
でも、特性は確かにあったんです。「診断がない=傾向がない」ではないと、私はその時、知ったのです。
夫の言動は、あなたへの「悪意」ではない
「なぜ私の気持ちをわかってくれないのか」
「なぜそんな言い方しかできないのか」
「なぜ謝れないのか」
アスペルガー傾向のある夫との生活では、こうした疑問や怒りが積み重なっていきます。
そしてしばしば、こう感じることもあるかもしれません。
「わざとやっている」「私だけに冷たい」「私のことを見下している」——。
ここで知っておいてほしいのは、夫の言動の多くが「あなたへの悪意から来ているわけではない」という点です。
アスペルガー傾向のある人は、相手の感情を読み取ること、言葉の裏にある意図を察することが、脳の特性として難しい場合があります。
「冷たい言い方をしたい」のではなく、どう伝えればいいかがわからない。
「無視したい」のではなく、どう反応すればいいかがわからない。
「謝りたくない」のではなく、謝るべき状況だと認識できていない。
夫の言動が「あなたを傷つけようとしている」のではなく、「適切な反応の方法を持っていない」ことから来ている——。そう理解できると、これまでとは少し違う見方ができるようになることがあります。
もちろん、悪意がないから、あなたのつらさが減るわけではありません。あなたが傷ついたという事実は、変わりません。その心の傷がこれまで積み重なってきた、ということもよくわかります。だって私もそうでしたから。
ただ、「なぜ夫は私にだけこうふるまうのか」という問いへの答えが、少し変わるかもしれません。
「私が嫌われているから」ではなく、「夫の脳の特性がそうさせている」と、見方を変えてみてはどうでしょうか。そうすると、長い間ご自身を責め続けてきたあなたの心が、少しだけ楽になるかもしれません。
でも私自身、「悪意はない」とわかっても、そう簡単に「はい、そうですか」とは、なれませんでした。
だって、夫からの批判的な言葉に、無視してくる態度に、私はずっと傷ついてきたから。
だから、私は自分の感情をしっかり解消しようと思ったんです。積もり積もってきた寂しさも、怖れも、全部をそのまま持ち続けて、先に進めないのは嫌でした。せっかく感情カウンセラーとして感情を解消する術を身につけていたから、それをフル活用して自分の感情に向き合うことにしたんです。
そして蓄積された感情を解消していって初めて、夫のことも一歩引いて見られるようになったのです。「夫の言動は、脳の特性によるものだったのね」と受け入れられるようにもなりました。
情報収集より先に、必要なこと
「もしかして」と気づいた後、多くの方が真っ先に始めるのが情報収集です。
アスペルガーについての本を読む。特性をネットで調べる。対処法を検索する。専門家に相談する。
それ自体は、決して悪いことではありません。
ただ、情報をどれだけ集めても、あなた自身の気持ちがラクになるとは限りません。
私も、かつて同じことをしました。本を読みあさり、専門家に相談し、「こうすれば伝わる」という対処法を次々と試しました。でも状況は変わらなかったのです。本の通りにやってみて、火に油を注いでしまったようなこともありました。
今振り返ると、その理由のひとつは、「夫への対処法を探す前に、自分自身の感情を解消しきれていなかった」からだと思います。
「もしかして」と気づいた後に本当に必要なのは、夫の傾向を詳しく知ることだけでなく、「自分が今、何を感じているのか」を丁寧に見ていくことでもあります。
あなたは、長い間、つらさをたった一人で抱えてきたんだと思います。誰にも相談できなかったかもしれません。「自分がおかしいのかな」と自分を責め続けてきたかもしれません——。
そうした感情は、心にかなり溜まっています。その感情を見つめ、解消することが、一歩進むためのベースになります。
感情を解消し始めてから、私が最初に気づいたのは——一人で抱えすぎていた、ということでした。
夫のことを考える前に、まず自分の感情を見つめて、受け入れてあげてよい。たった一人で抱えなくていい。そう思えただけで、少し身動きができるようになりました。
まずは「自分自身」を知ることから
「うちの夫、もしかしてアスペルガー?」と気づいた今、解決の入口は「夫を変える方法を探すこと」だけではありません。
むしろ、「私は今、何を感じていて、どうしたいのか」という問いに向き合うことが、初めの一歩になるのです。
私自身も、産業医に「カサンドラ症候群」という言葉を告げられたとき、最初は違和感しかありませんでした。「私は病気ではない、仕事も育児も家事もちゃんとやっている」という気持ちと、「でも確かにつらかった」という気持ちが、ぶつかりあっていました。
でもその違和感と向き合っていく中で、少しずつ見えてきたことがあります。
自分がどれほど無理をしてきたか。どれだけ感情に蓋をしてきたか。「もっと上手くやれば」と自分を責め続けてきたことが、実はどれほど疲弊することだったか——。
夫のことを知ることと、自分のことを知ること。この両方が、これからを生きていくための土台になります。
「もしかして」と気づいた今が、その入口です。
一人で抱えてきたものを、少しずつ整理していきませんか。私もかつては、あなたと同じ場所にいました。
この記事を読んで、少しだけ楽になった——そう感じたあなたへ。
「自分軸で生きるメルマガ」はあなたのためのものです。
🎁 登録特典「アスペルガー夫に振り回されない私になる5Daysレッスン」
5日間の無料メールレッスンで——
- 心に溜まった感情を言語化し、少し楽になるヒントになります
- 夫との距離感を意識しやすくなり、疲弊が少し和らぐヒントになります
- 自分軸を取り戻すためのヒントになります
夫婦関係・子育て・感情整理などに悩む方に寄り添ってきた経験から生まれたメッセージです。
▼ 自分軸を取り戻す旅を、ここから始める ▼
※この記事の内容は私個人の体験・見解をもとにしています。個人差があります。医療的診断・治療ではありません。