
「育児は私がやるのが当たり前」—その思い込みが、アスペルガー夫との役割分担のボタンのかけ違いを生んでいたと気づいたのは、ずいぶん後のことでした。
結婚して4年、息子が生まれてから私がフルタイムで復職するまで、夫との関係性はとても良好でした。
夫は外で働き、私は家庭で家事と育児に注力する。そのスタイルが自然とでき上がっていたんです。
夫は子供の出産前と変わらずバリバリと仕事をし、遅くまで残業したり、会社の人と飲みに行ったり、独身時代と何ら変わらない様子でした。
帰宅すれば子煩悩な父親で、息子をお風呂に入れたり、一緒に遊んだりと、育児を”手伝って”くれていました。
でも、私がフルタイムで復職してから、次第に夫の言葉や態度が変わり始めたんです。
復職してから、何かが変わり始めた
息子は、マンションの1階にある保育園に通っていました。
朝の見送りは夫、帰りのお迎えは私——というルールが、いつしか当たり前になっていました。
誰かが決めたわけではありません。自然と、そうなっていたんです。
夫の方がコンサルタントとして立場が上だったので、「きっとお客様の偉い方々との調整が多くて大変だろう。だから私の方が帰宅時間を調整してお迎えに行かなければ」と、私は勝手に思い込んでいたんです。
コロナ前で普通に出勤していた当時、お迎えに遅れないように毎日必死に仕事を終わらせて、駅の改札を駆け抜けて帰宅していたことを、今でも鮮明に覚えています。
夫への不満はありませんでした。それが当たり前だと、思い込んでいたから。
なぜ私が、当然のように引き受けていたのか
でも、ある時ふと気づいたんです。
なぜ私は「育児も家事も私がデフォルト、夫はサブ」という構造を、当たり前として受け入れていたのだろう?と。
振り返ってみると、理由がありました。
私の母や夫の母が専業主婦だった
母は家事と育児に専念し、父が外で働く——そういう家庭で育った私にとって、「家のことは妻がやるもの」という価値観が、知らず知らずのうちに染み込んでいました。
夫も、「出産後は、仕事を続けてもやめても、君の好きにすればいい」と言っていましたが、やはり自分の専業主婦だった自分の母親のようなスタイルを私に期待していたんです。
そんな背景もあって、私は、フルタイムで働きながら育児に十分に時間をかけられていないのではないか、もしかしたら息子に寂しい思いをさせてしまっているのではないかと、どこか後ろめたかったんです。
「専業主婦のママたちのように、24時間子供のことだけを考えられていない」——そんな罪悪感が常にあったんです。
その罪悪感こそが、「私が全部やらなければ」という思い込みを生んでいたのです。
あなたも、同じ思い込みを抱えていませんか?
もしあなたも「育児や家事は自分が一手に引き受けなければ」と思い込んでいるとしたら、一度立ち止まってご自身に問いかけてみてください。
なぜ、私はそう思うの?
お母さんが専業主婦だったから?
「良い母親はこうあるべき」という固定観念があるから?
夫に頼んで断られるのが怖いから?
その「なぜ」に気づくだけで、少し心が軽くなることがあります。
思い込みは、あなたが悪いわけではありません。育った環境や経験から自然と積み上がってきたものです。
でも、その思い込みが今のあなたと旦那さんとの関係に影響を与えているとしたら、一度見直してみる価値はあると思うんです。
「全部やらなければ」という思い込みは、あなたが悪いのではなく、育ちの中で積み上がってきたもの。でも、その根っこに気づくだけで、今日から少しずつ変わっていけます。自分を責めるのをやめて、「私はどうしたいか」を問い始める——その一歩を、共に踏み出したいと思っています。
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