
子供が体調を崩すと、頭の中が「もし」でいっぱいになる。病院で「異常はありません」と言われても、不安が止まらない。しまいには、「母親の私が不安がっていたら、子供に伝わってしまう」と、不安を持つ自分まで責めてしまう。仕事と家庭を両立しているワーママなら、「私がしっかりしなきゃ」と、なおさら自分を追い込みやすいものです。
この記事では、子供の体調不良で母親の不安が止まらなくなる仕組みと、その不安を消そうとせずに「切り分ける」考え方を、感情カウンセラーとしての私の見方と体験からお伝えします。
※私は民間資格の感情カウンセラーです。この記事は私個人の体験と考え方で、医療の代わりになるものではありません。お子さんの体調のことは、医療機関にご相談ください。
子供の体調不良で不安が止まらないのは、母親として自然なこと
最初にお伝えしたいのは、子供の体調不良に不安が出てくるのは、母親として自然なことだということです。不安が出てくるのは、それだけ子供を大切に思っているから。不安を持つこと自体は、問題ではありません。
つらさを大きくしているのは、むしろ「不安を消さなきゃ」と思うことのほうだと、私は考えています。
「母親の不安は子供に伝わる」という言葉を、どこかで耳にしたことがあるかもしれません。その言葉を気にするほど、母親は不安を急いで消そうとします。けれど、不安はそう簡単には消えてくれません。そして、消せない自分を責める。こうして、子供への不安に「不安を消せない私はダメだ」という自分への責めが重なって、心はますます苦しくなっていきます。
ワーママの場合、そこに仕事の調整も加わります。休みをとるか、誰に頼むか、明日の会議はどうするか。考えることが一気に増えて、自分の不安を落ち着いて眺める余裕がなくなってしまうのです。子供の看病と仕事の段取りを同時に抱えているとき、不安が大きくなるのは、ある意味で当然のことかもしれません。
私は今、オンライン講座「覚醒塾」でティーチャーをしています。そこで不安を取り扱うときに大切にしている考え方は、不安を無理に消そうとせず、不安と距離をとることです。私自身、距離をとったことで、不安に飲み込まれている感じが和らぐのを感じています。
では、なぜ子供の不調への不安は、ここまで大きくなってしまうのでしょうか。
不安が大きくなるのは「今」に「過去」が重なるから
子供の体調不良への不安が止まらないとき、その不安は、目の前の出来事そのものだけから来ているとは限りません。目の前の出来事に、過去の記憶が重なっていることがあります。
自分の中にある気持ちを、目の前の相手や出来事に映して見てしまう心の働きを、心理学では「投影」と呼びます。子供の不調に過去のつらい記憶が重なると、今の子供の姿の上に、あの頃の不安を映して見てしまう。すると、実際の出来事よりも、ずっと大きな不安が生まれるのです。
重なりやすい過去の記憶には、たとえば次のようなものがあります。
- 以前、子供が入院したり、長く学校を休んだりした時期の記憶
- 似た症状のときに、大きな病気が見つかった身近な人の記憶
- 自分が子供の頃、家族の病気で不安な日々を過ごした記憶
私の場合は、先月、受験生の息子が胸の痛みを訴えたとき、息子が中学3年生のときに体調を崩して長く寝込んだ記憶が重なっていました。
このときのことは、こちらもご参考に。
▶「また同じことが起きたら」―不安に飲み込まれそうなとき (noteで読む)
過去の記憶が重なっているときは、こんな場面が起きやすくなります。
- 「また」「もし」という言葉が、頭の中でくり返される
- 検査で異常がないと言われても、心が落ち着かない
ひとつでも思い当たるなら、あなたの不安にも、過去の何かが重なっているのかもしれません。
投影に気づくと、見え方が変わります。不安が「子供の問題」ではなく、「私の中の気持ち」として見えてくるのです。ここから、不安を切り分けることができるようになります。
不安を切り分ける問いかけ
不安を消すのではなく、切り分ける。そのために、次のような問いかけが役に立つかもしれません。
問い1:この不安は、今の出来事から来ている?それとも、過去の記憶から来ている?
まず、不安の出どころを見ます。子供が今、痛がっている。熱がある。これは「今」の出来事です。一方で、「また同じことになったら」「長引いたらどうしよう」という思いは、「過去」の記憶から来ていることがあります。
たとえば、子供が咳をしているとします。咳そのものは「今」のことです。けれど、「前に肺炎で入院したときも、最初はこんな咳だった」という思いが浮かんだら、それは「過去」から来ている不安です。出どころを分けるだけで、不安の大きさの正体が見えてきます。
問い2:これは、誰が受け持つこと?
次に、受け持ちを分けます。子供の体のことは、子供本人と、医師などの専門家が受け持つことです。母親にできるのは、受診の段取りをしたり、そばにいたりすること。痛みそのものを、母親が代わりに引き受けることはできません。
一方で、「また同じことになったら」とおびえている不安は、母親である私が受け持つものです。子供に背負わせるものではありません。
子供の体のことは専門家に。私の不安は私に。受け持ちが分かれると、子供の不調を「私が何とかしなきゃ」と抱え込む力が、少しゆるみます。
問い3:私が自分でできる手当ては何?
最後に、自分の不安に、自分で手当てをします。ここで大切なのは、不安を消そうとしないことです。
まずは、「今、私は不安になっているんだな」と気づくだけで十分です。気づくことは、不安と少し距離をとることでもあります。
そのうえで、自分に合う手当てを選びます。たとえば、信頼できる人に話す、気持ちを紙に書き出す、専門家の力を借りる、などの方法があります。どれが合うかは人によって違います。私の場合は、感情カウンセラーとして、自分の不安を自分で扱うことでした。
不安を子供にぶつけてしまった日があっても
ここまで読んで、「もう不安をぶつけてしまった」と思った方もいるかもしれません。
不安をぶつけてしまった日があっても、そこから切り分けは始められます。私にも、そんな日がありました。感情カウンセラーとして活動していても、自分の子供のこととなると、不安がそのまま言葉になって出てしまうことがあるのです。
自分を責める代わりに、問い1に戻ってみてください。「あのとき、私の不安はどこから来ていたんだろう」と。責めることより、出どころを見ることのほうが、次の一歩につながります。
不安を切り分けられるようになると、子供とのあいだに、ほどよい距離が生まれます。子供の不調に、母親の心がそのまま引きずられなくなる。その距離があるからこそ、子供をよく見て、必要なときに必要な手を差し出すことができるのだと、私は考えています。
よくある質問
Q. 子供の体調不良への不安は、消したほうがいいですか?
A. 無理に消そうとしなくて大丈夫です。不安が出てくるのは、子供を大切に思っているからです。消そうとするより、「今、私は不安になっているんだな」と気づいて、少し距離をとってみてください。私自身は、距離をとったことで、不安に飲み込まれている感じが和らぎました。
Q. 子供の体調が心配で、受診すべきか迷うときはどうすればいいですか?
A. 受診するかどうかの判断は、医師や、お住まいの地域の医療相談窓口にゆだねてください。私も、休日に息子が胸の痛みを訴えたときは、市の休日外来の相談窓口に電話をしました。不安を切り分けることは、受診をがまんすることではありません。子供の体のことは専門家に、私の不安は私が手当てする。その切り分けです。
まとめ
- 子供の体調不良に不安が出てくるのは、母親として自然なこと。不安は無理に消さなくていい
- 不安が大きくなるのは、目の前の出来事に、過去の記憶が重なっている(投影)ことがあるから
- 「今か過去か」「誰が受け持つか」「自分でできる手当ては何か」の問いかけで、不安を切り分ける
子供の体調不良に不安でいっぱいになるのは、あなたがそれだけ子供を大切にしてきたからだと思います。その不安を消せない自分まで、責めなくていいのです。
不安があっても、切り分けることはできます。不安と少し距離ができたとき、子供のそばにいるあなたの心にも、ほっと息のつける場所が、少しずつ生まれていくと思います。今日の問いかけが、その小さな手がかりになればうれしいです。
この記事を読んで、もし少しでも楽になったなら。
「自分軸で生きるメルマガ」は、そんなあなたに向けて書いています。
感情との向き合い方、自分軸を取り戻すためのステップなどについての具体的な内容を、一通ずつ丁寧にお届けしています。
🎁 登録特典「心を軽くして本音に近づく5Daysレッスン」
5日間の無料メールレッスンで——
- 出てきた感情を、蓋をせずに感じきるヒントになります
- 揺れたときに、自分の心を守る距離のとり方が見つかります
- 自分の本音に、少しずつ近づいていくヒントになります
感情整理・夫婦関係・子育てなどに悩む方に寄り添ってきた経験から生まれたメッセージです。
▼ 自分軸を取り戻す旅を、ここから始める ▼