
「夫のことを、誰にも相談できない」。そう感じながら、この記事にたどり着いたお母さんもいるかもしれません。外では仕事も子育てもきちんと回しているのに、家の中のつらさだけは、誰にも話せない。アスペルガー傾向のある旦那さんとの暮らしの中で、そんなふうに一人で抱え込んでいるワーママは、少なくないと思います。
私自身も、アスペルガー夫と暮らしていた頃、「全部、私一人でやらなきゃ」と思っていました。そして今は、感情カウンセラー&ヒーラー&リーダー(リーダーは、心の奥の状態を読み解きながら、相談にのる仕事です)として、同じように悩むお母さんたちのお話を聴いています。
この記事では、私の体験談やクライアントさんへのアドバイスをもとに整理した「頼り方の3つの形」をお伝えします。今のご自身の頼り方をたしかめられるセルフチェックと、頼り先を持つための3つのステップも、あわせてまとめました。
「誰にも相談できない」とき、知っておきたい頼り方の3つの形
結論からお伝えすると、「誰にも相談できない」と感じるのは、頼り方が下手だからとは限りません。アスペルガー傾向のある旦那さんとの暮らしでは、夫婦の間でいちばん頼りたいことを、夫に頼むのが難しいことがあるからです。
私は、人に頼ることを3つの形に分けて考えています。
①手を借りる:シッターさん、病児保育、家事代行など、具体的な用事を専門家にお願いすること。
②気持ちを受け止めてもらう:「それは大変だったね」と、解決策ではなく気持ちそのものを受け止めてもらうこと。
③一緒に決める:家のこと、子供のことを、一人で決めずに、誰かと相談しながら一緒に決めること。
②と③は、本来なら夫婦の間で頼り合いたいことです。でも私の夫は、それができない相手でした。だから私は、やれることを精一杯やりました。両親が既に亡くなっていたので、①の外の手も、最大限に借りながら。
私が「一人でやらなきゃ」と思っていた2つの理由
アスペルガー夫と暮らしていた頃、私は「全部、私一人でやらなきゃ」と思っていました。理由は2つあります。
1つめは、頼れる父母が亡くなっていたことです。父は私が大学4年生の卒業式の直前に、母は息子が生まれる前に亡くなりました。まわりのお母さんたちのように、困ったときに実家を頼ることができません。だから、一人でやらなきゃ、と思っていました。
2つめは、いちばん近くにいる夫に、頼みようがなかったことです。何か相談しても、夫からは「お前が働いているせいだ」と否定する言葉が返ってきました。
息子が小学1年生の頃、通っていたそろばん塾のお迎えのことで、ほかのお母さんたちに呼び止められたことがありました。お迎えをどうしようか、一緒に考えてほしくて夫に相談すると、返ってきたのは、私が問題を起こしたかのように責める言葉でした。ほしかったのは、解決策より先に、気持ちを受け止めてもらうことでした(このときのことは、[noteの記事「「誰にも頼れない」アスペルガー夫の家で見落としていた味方」](※リンクは WordPress で note の記事URLを確認して貼る)に詳しく書きました)。
いちばん近くにいる人に否定されると、頼みようがない、と感じていました。
「一人でやらなきゃ」の中身は、たとえばこんなことでした。今思うと、あの頃の私は、いつも全力疾走していた気がします。お受験が終わり、私立小学校への入学が決まった頃、息子が「公文に通いたい」と言い出しました。公文の教室は、家からだいぶ遠く、駅の反対側まで15分以上かかりました。私は幼稚園にお迎えに行き、息子を自転車に乗せて、毎回そこまで送っていきました。それも、一人でやっていたのです。
①手を借りるしかなかった私が、助けてもらったこと
一方で、①の「手を借りる」は、私にとっては、外から借りるしかないものでした。両親がいない分、ネットワークを最大限に使って、借りられる外の助けは何でも借りていました。病児保育も、ベビーシッターさんも使っていました。息子が小学1年生の頃には、家事代行も試してみました。ただ、息子と私のスタイルには合わず、やめました。
息子が幼稚園に入って、お迎えの手が足りなくなったときのことです。私たちの住む1000世帯ほどの大きなマンションでは、管理組合の役員が毎年まわってきます。私はその役員の年に文化福祉委員長を務め、メンバーは10名ほどいました。そこで、そのときの役員メンバーに声をかけてみたのです。すると、シッターを引き受けてくださる方が、2人も現れました。
お一人は、もう子育てを卒業されてお孫さんもいらっしゃる方。もうお一人は、お子さんが3人いるお母さんでした。高校生、中学生、小学生の3人のお子さんたちは、息子をまるで一番下の弟ができたように、みんなでかわいがってくれました。
「一人でやらなきゃ」と思っていた私も、他の方の手を借りることで、本当に助けていただきました。今も、心から感謝しています。もしあなたが「私は人に頼れない」と感じているとしたら、まずは、①の範囲を広げてみることもありかもしれません。意外と助けてくれる人が多いかもしれません。
頼り方の3つの形 セルフチェック
今のあなたにとって、どの頼り方に余地があるのか。次の質問で、たしかめてみてください。
①手を借りる
- 用事を頼める人やサービスが、1つ以上ある
- 「お願いします」と言うことに、それほど抵抗がない
②気持ちを受け止めてもらう
- 最近、「それは大変だったね」と言ってもらえたことがある
- つらかった出来事を、解決策ではなく気持ちごと話せる相手がいる
③一緒に決める
- 家や子供のことを、誰かと相談して決めたことが最近ある
- 自分の希望を、遠慮なく口にできる場がある
①にはチェックがつくのに、②と③にはほとんどつかない。そうだとしたら、②と③の頼り先が、今の暮らしの中に少ないだけかもしれません。ここまで、やれることを精一杯やってきたのだと思います。
②と③の頼り先を持つ3つのステップ
ステップ1:夫以外にも、②と③の頼り先を持つ
②と③をくれる相手は、旦那さんだけでなくていいのです。私の夫の場合、何か言っても「お前が働いているせいだ」と否定が返ってきたので、頼みようがない状態でした。受け止めてもらう相手、何かを決めるために相談にのってもらう相手は、夫以外でもいいんです。そう決めるだけで、見える景色が変わるかもしれません。
ステップ2:②は、まず自分で自分に渡せるようにする
今の私は、人に頼る必要がなくなりました。心の根っこにあった傷が軽くなり、自分で自分を整えるスキルがついたことで、人に相談する必要がだいぶ少なくなりました。でも、そこに至るまでは、カウンセラーなど、気持ちを聴く専門家の力を借りるのもひとつの方法です。
ステップ3:③は、子供との小さな決めごとから始める
今の私は、家のことを一人では決めていません。息子と、ていねいに相談して決めています。今の家を買うときも、場所や家のことを、息子としっかり話し合いました。
最近、トースターを買い替えるときも、そうでした。息子の希望はスチームタイプ、私の希望は2枚焼きのサイズ。お互いに遠慮なく希望を伝えあっていると、相手がこだわっているところと、どうでもいいところが見えてきて、落としどころが見つかります。トースターのような小さなことでいいのです。「あなたはどうしたい?」「私はこうしたい」を誰かと交わすことが、③の土台になっていきます。
よくある質問
Q. 本当に、相談できる人が誰もいないときは、どうすればいいですか?
A. まずは①でできていることを数えてみてください。そのうえで、②は気持ちを聴くことを仕事にしているカウンセラーや、自治体の相談窓口など、専門の場所を使うことも考えてみてください。身近な人に話せなくても、話していい場所はきっとあります。
Q. 夫に相談すると、いつも否定されてしまいます。私の伝え方が悪いのでしょうか?
A. 私の夫の場合、何か言っても「お前が働いているせいだ」「お前がダメな母親だからだ」と否定が返ってきて、頼みようがありませんでした。伝え方を考え続けるより、②と③を夫以外に頼るほうに目を向けました。旦那さんの反応は、旦那さんの側の問題として置いておいていいと、今の私は思います。
Q. 実家にも頼れないワーママは、どうすればいいですか?
A. 私も実家を頼れませんでした。だからこそ、①の外の助けは何でも借りました。マンションの役員仲間や、シッターさん、病児保育。家族でなくても、手を貸してくれる人は見つかることがあります。そして、①で手が空いた分を、②と③を育てることに回していきましょう。
まとめ
- 頼り方には、①手を借りる、②気持ちを受け止めてもらう、③一緒に決める、の3つの形がある。②と③は、アスペルガー傾向のある旦那さんには頼みにくいことがあるかもしれません。
- 私が「一人でやらなきゃ」と思っていたのは、頼れる父母がいなかったことと、いちばん身近な夫に否定され続けたことが重なったから。それでも外の手を借りながら、やれることを精一杯やってきた
- ②と③は、夫以外にも頼り先を持っていい。②は自分で自分に渡せるように、③は子供との小さな決めごとから。頼り先を少しずつ増やしていく方法はあります
※この記事は、民間資格を持つカウンセラーとしての個人の体験と見解をもとにしています。医療に代わるものではありません。心身の不調が続くときは、専門の医療機関にご相談ください。
この記事に『私のことかも』と感じた部分があったなら。
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