夫の言葉に心が大きく揺れるのはなぜ?―自分でできる3つの手当て


夫の何気ない一言、ふとした沈黙。それだけで胸がざわついて、その日一日、何も手につかなくなる。「私が気にしすぎなだけ?」「こんなことで揺れる私がおかしいの?」と、反応してしまう自分を責めている。そんなお母さんは、少なくないと思います。

この記事では、夫の言葉に過剰に反応してしまうのはなぜなのかを、私が感情カウンセラーとしてクライアントさんを見てきた実感と自分自身の体験から形にしてきた「船と海のたとえ」でお伝えします。そして、今日から自分でできる3つの手当てをご紹介したいと思います。


アスペルガー傾向の夫の言葉への過剰反応は「気にしすぎ」ではない

先に結論をお伝えします。旦那さんの言葉に過剰に反応してしまうのは、あなたが気にしすぎだからではありません。反応の大きさは、言葉の大きさだけでは決まらないからです。

同じため息や同じ一言を受けても、少し嫌な気持ちになるだけで流せる人もいれば、一日中そのことが頭から離れない人もいます。その差には、言葉そのものだけでなく、受け取る側の心の中にあるものが関わっています。

私自身、夫の一言にいつも過剰に反応していた時期がありました。当時は、反応していること自体に気づけていませんでした。

そのときのことは、こちらの記事をご覧ください。
▶ 夫の一言に過剰反応してしまう理由 (noteで読む)

振り返ってわかったのは、反応を何倍にも大きくしていたのは、夫の言葉そのものより、私の心の奥にあったものだった、ということでした。だからこそ、反応してしまうあなたに、一人で自分を責め続けてほしくなくて、この記事を書いています。

過剰反応が起きるまで―船と海のたとえ

私は、過剰反応が起きるまでの流れを、海に浮かぶ船にたとえてお話ししています。

たとえ何にあたるか
船(船長)あなた自身。出来事に反応して揺れる
海水あなたの感情。形がなく、揺らぎやすい
海底あなたの心。あなたの本音と共に、バーストラウマやインナーチャイルドといった心の傷もある場所

海が凪いでいれば、波は穏やかで、船は揺れません。船長であるあなたも、落ち着いていられます。けれど海が荒れて波が高くなると、船が揺れ、あなたも一緒に揺れます。

旦那さんに何か言われたとき、過剰反応が起きるまでには、次のような流れがあると私は見ています。

  1. 言葉が、海底にある心の傷に触れる。海底が、地震のように揺れる
  2. 海水が揺れて、波が荒くなる。これが、感情が波立つということ
  3. 波に揺られて、船とあなたが大きく揺れる。これが、過剰反応

つまり過剰反応は、船の上だけで起きているわけではありません。船が大きく揺れるのは、その下で、海と海底が動いているからです。

海底:心の傷

私の所属する感情カウンセラー協会の実践論では、胎児期から生後数か月頃までの心の傷や満たされなかった思いを「バーストラウマ」、そこから思春期頃までのものを「インナーチャイルド」と呼んでいます。いずれも医学的な診断名ではありません。旦那さんの否定的な言葉がこの古い傷に触れると、10の強さの言葉が20にも30にも感じられることがあります。海底の心の傷については、「アスペルガー夫の言葉に傷つくのは…」[こちらの記事](【ここに HP 260810「アスペルガー夫の言葉に傷つくのは、古い心の傷のせいだった」のURLを貼る】)でくわしくお伝えしています。

海水:感情

海底の傷がうずくと、「怖い」「悲しい」「寂しい」といった感情が一気に波立ちます。たとえば「子育てもあるし、明日も仕事だし」と、揺れた気持ちにふたをして、そのまま走り続ける。ワーママには、よくあることだと思います。けれど、ふたをした気持ちは消えずに海の中に残り、同じような場面が来るたびに、またざわつくことがあります。

根っこにあるのは、海底

私は、船の揺れの根っこにあるのは、いちばん奥の海底、心の傷だと考えています。ただ、海底は、自分ではなかなか手が届きにくい場所でもあります。船から近く、自分で扱いやすいのは海水、つまり感情のほうです。だから、自分でできる手当ては、船の上と海水から始めて、海底には「気づく」ことから向き合っていくのがいいと、私は考えています。

私自身は、この海底の心の傷に、ヒーリング(心の傷にはたらきかけるセッション)やリーディング(心の奥の状態を読み解きながら、その方に合う答えを探すセッション)で手当てをするお手伝いもしています。くわしい内容は、メルマガでご案内しています。

あなたの海は今どんな状態?セルフチェック

当てはまるものに、心の中でチェックを入れてみてください。

船の揺れ方(反応)

  • 揺れているとき、自分が揺れていることに気づくのは、だいぶ後になってから
  • 旦那さんの表情ひとつで、その日の気分が決まってしまう
  • 反応したあと、「なんであんなに反応したんだろう」と自分を責める

海水(感情)

  • 揺れた気持ちを、「忙しいから」と後回しにすることが多い
  • 友達に愚痴を言うと、その場はすっきりするのに、しばらくするとまた同じ気持ちが戻ってくる
  • 何日も前の旦那さんの言葉が、ふとした瞬間によみがえる

海底(心の傷)

  • 旦那さんの言葉で、子供の頃に親から言われた言葉や場面を思い出すことがある
  • 「否定された」「認めてもらえない」と感じたとき、特に強く揺れる
  • 反応の大きさに、自分でも驚くことがある

船の項目にチェックが多いのは、過剰反応が起きているサインかもしれません。海水と海底の項目は、その揺れを大きくしているかもしれない場所です。あくまで気づきのための目安として、次の手当てにつなげてみてください。

自分でできる3つの手当て

船から近い順に、自分でできる手当てをお伝えします。

手当て① 船の上で:揺れている自分に、客観的に気づく

揺れをなくそうとしなくて大丈夫です。大切なのは、揺れている自分に、客観的に気づくことです。

「あ、今、私は夫の言葉に反応している」。そう気づけた瞬間、あなたは、波にのまれている人から、揺れている海原を見渡す船長の立場に近づけます。この小さな切り替えが、自分軸に戻るための最初の一歩です。はじめは、揺れてからしばらくたって気づく、ということが多いと思います。それで十分です。気づくまでの時間が少しずつ短くなっていけば、それは、力が育っているしるしかもしれません。

手当て② 海水:感情にふたをせず、ありのまま感じきる

波立った気持ちは、ふたをせずに、ありのまま感じてあげてください。「怖かった」「悲しかった」「否定されたみたいで、つらかった」。どんな言葉でもかまいません。自分の心には、正直に。

ここで気をつけたいのは、「愚痴をこぼす」ことと「感じきる」ことは違う、という点です。信頼できる人に話を聞いてもらうと、その瞬間は気持ちが軽くなったように感じます。けれど、気持ちそのものはまだ海の中に残っていることがある、と私は感じています。出てきた気持ちを自分でありのまま感じ尽くせるようになると、同じような場面でも、波が小さくなることがあると、私は考えています。

手当て③ 海底:「これは今の出来事? それとも昔の何か?」と問う

旦那さんの言葉に強く揺れたとき、心の中で一度だけ、「この反応は、今の出来事に対してのもの? それとも、昔の何かが一緒に動いている?」と問いかけてみてください。

答えが出なくてもかまいません。問いを向けるだけで、旦那さんの言葉と、自分の中の古い傷とのあいだに、少しすき間ができます。「今の言葉への反応は10、昔の出来事を思い出しての反応は30」という差に気づけると、自分自身を客観的にとらえられるようになります。また自分を責める気持ちも、少しゆるむことがあります。海底について、自分でできる第一歩は、この「気づく」ことだと、私は考えています。

3つとも、一度で変わるものではありません。気づいて、感じて、また揺れて、をくり返しながら、少しずつ身につけていくものだと思います。

揺れの大きさに気づけた時点で、あなたはもう最初の一歩を踏み出しています。揺れる日があっても、気づく、感じる、戻る、をくり返すうちに、あなた自身に戻る力は少しずつ育っていくものだと思います。その力は、特別な人だけのものではありません。揺れやすかったあなたの中にも、もともとあるのだと思います。

まとめ

  • 旦那さんの言葉への過剰反応は、海に浮かぶ船が大きく揺れている状態です。揺れの大きさは、言葉の大きさだけでなく、その下の海(感情)と海底(心の傷)の状態によっても変わってきます。
  • 根っこにあるのは、いちばん奥の海底、心の傷だと私は見ています。
  • 自分でできる手当ては、①揺れている自分に客観的に気づく ②ふたをせず感じきる ③「今の出来事?昔の何か?」と問う、の3つです。

旦那さんの言葉や態度を変えることは、簡単ではありません。けれど、自分の中で何が起きているのかがわかると、同じ言葉を受けても、受け止め方が少しずつ変わっていくこともあります(感じ方には個人差があります)。

反応してしまう自分を責めるのは、今日で終わりにしてもいいのかもしれません。あなたの海が凪いで、あなたが、あなたの真ん中に戻ってこられる日が来ることを、心から願っています。

※私は民間資格の感情カウンセラーです。この記事は私個人の体験と考え方をお伝えするもので、医療行為ではありません。心身の不調が続くときは、医療機関にご相談ください。


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よくある質問

Q. 夫がアスペルガーかどうかわかりません。それでも当てはまりますか?
A. 診断の有無にかかわらず、船と海のたとえは、旦那さんの言葉に揺れてしまう理由を整理する手がかりになります。旦那さんの特性を判断するものではありません。

Q. 夫の言葉に過剰反応してしまうのは、私が神経質だからですか?
A. 反応の大きさは、言葉の大きさだけでなく、受け取る側の心の中にあるもの(心の傷や、感じきれなかった気持ちなど)によっても変わると、私は考えています。性格だけの問題とは言い切れません。

Q. バーストラウマ、インナーチャイルドとは何ですか?
A. 私の所属する感情カウンセラー協会の実践論では、胎児期から生後数か月頃までの心の傷や満たされなかった思いを「バーストラウマ」、そこから思春期頃までのものを「インナーチャイルド」と呼んでいます。いずれも医学的な診断名ではありません。

Q. 自分ひとりで手当てを続けるのが難しいときは、どうすればいいですか?
A. 一人で抱え込まず、カウンセラーなど、伴走してくれる専門家を頼ることも一つの選択肢です。特に一番奥の海底、心の傷は、自分ひとりでは気づきにくいことがあります。