
子供の勉強が思うように進んでいないのを見ると、「この時期にこれで大丈夫なの?」と、胸の奥がざわざわしてくる。気づけば強い口調になっていて、あとから「また感情的になってしまった」と自分を責める。よく言われる「深呼吸」や、「6秒待つ」方法も試したけれど、いざその場面になると止められない。同じような経験のあるお母さんは、多いのではないでしょうか。
旦那さんから「どうしてそんなに感情的になるの?」と言われてきた方なら、なおさら、イライラする自分を情けなく感じているかもしれません。私自身、アスペルガー傾向のある夫と暮らしていた頃は、夫から感情的だと言われるたびに、揺れる自分をますます否定していました。
感情カウンセラーになった今でも、子供の勉強を前に揺れる日はあります。それでも、揺れる自分を責めなくなったのは、感情との向き合い方が変わったからです。
この記事では、子供の勉強へのイライラを「子供の領域」「関係の領域」「私の領域」の3つに分けて整理します。そのうえで、私の領域でできる3つのステップをお伝えします。
子供の勉強へのイライラは「未熟」の証拠ではない
私は、息子の小・中・高校受験を経験してきました。そして今、高3になった息子は、大学受験に挑戦しています。なので受験生の母をなんと4度も経験しているところです。
そんな中、以前の私は、自分が感情的になるのは人として未熟だからだ、と考えていました。例えば息子の受験勉強でイライラするたびに、自分にダメ出しをします。そして、夫の言葉は、その自己否定をさらに強化していました。
感情カウンセラーになって、私はこの考えを手放せるようになりました。感情に良し悪しはありません。イライラも、不安も、心が解消されていないものを知らせるために出てくるものです。
否定してふたをした感情は、消えるのではなく、心の奥にしまわれるだけだと私は考えています。そして、同じ感情が場面を変えて何度も表出するのは、まだ感じきれていない感情からの合図なのだと思います。子供の勉強でくりかえしイライラするなら、そこには、まだ受けとめられていない感情がある、ということなのかもしれません。
だから大切なのは、イライラをなくすことではなく、どう扱うかです。そのための地図になるのが、次の3つの領域です。
イライラする自分を否定していた頃、私は勉強を見る役目を夫に任せていました。そのときのことは、こちらの記事をご参考に。
▶ アスペルガー夫に子供の勉強を任せていた本当の理由 (noteで読む)
イライラを3つの領域に分けるセルフチェック
子供の勉強でイライラしているとき、頭の中では、いくつもの問題が1つのかたまりになっています。私はそれを、3つの領域に分けて見るようにしています。もともとは、アスペルガー夫への怖さを整理するために、自分の体験から作った考え方です(→ HP「アスペルガー夫が怖いのはなぜ?」)。子供の勉強のイライラにも、そのまま使えます。
心の中で、当てはまるものにチェックを入れてみてください。
子供の領域(子供自身が持っているもの)
- 「あの問題集、まだ半分も終わっていないじゃない」
- 「やるって言ったのは、あなたでしょう」
- 「志望校、本当にここでいいの?」
関係の領域(子供と私のあいだにあるもの)
- 「言いたいことは正しいのに、どうしてもきつい言い方になる」
- 「声をかけるのは、いつも私が不安になったときだ」
- 「この子が困ったとき、私以外に相談できる人はいるんだろうか」
私の領域(私の中にあるもの)
- 「この時期にこれでは間に合わない」と、先回りして不安になる
- 「母親なのに」「どうして私はこんなに未熟なんだろう」と、イライラした自分を責める
- 「また感情的になってしまった」と思うたびに、家族から言われてきた言葉がよみがえる
いちばん多くチェックがついたのは、どの領域だったでしょうか。
子供の勉強のことなのに、実は私の領域にチェックが集まる。そんな方も多いと思います。そして、3つの領域のうち、私が手をつけられるのは私の領域だけだと考えています。子供の領域は、子供のもの。関係の領域は、私の領域が整うと、変わっていく余地が生まれると私は考えています(個人差があります)。ここからお伝えする3つのステップは、すべて私の領域でできることです。
ステップ1 イライラを否定せず、感じきる
感情カウンセラーとして多くの方の感情に寄り添ってきた私でも、息子の受験のこととなると、不安が先に立って、つい心配を息子にぶつけてしまいそうになる日があります。「今日は、不安がものすごく出てきている」。秋に入って、日記にそう書いた日もありました。そんな日は「感情カウンセラーなのに」と、自分を責めたくなることもあります。
でも、否定を重ねても、イライラは小さくなりませんでした。だから今は、「イライラしている」「不安になっている」と、その気持ちをありのまま認めて、感じきるようにしています。出てきた感情を良い悪いとジャッジせずに、ただ「そうなんだね」と受けとめる感覚です。
私の場合、そうすると、感情は少しずつ落ち着いていきます。落ち着いてはじめて、イライラの奥にあるものが見えてきます。
ステップ2 その不安が「誰のものか」を見極める
私の場合、イライラの奥にあったのは、多くの場合、不安でした。次にするのは、その不安が誰のものかを見極めることです。
息子の受験についていえば、私が感じていた不安の正体は、私自身が受験生だった頃の不安でした。かつての私の不安を、今の息子に重ねていただけだったのです。息子が受験をどう感じ、どう進めていくかは、息子の領域です。息子の受験への私の不安は、言ってみれば、私の過去が作り出した幻想でした。
そう見極められると、息子の受験への不安は、息子のものではなく、私の側にあるものだとわかります。目の前にいるのは、あの頃の私ではなく、息子です。
子供の勉強にイライラしたとき、「これは、誰の不安?」と自分に問いかけてみてください。もしかすると、その不安は、子供のものではなく、かつてのあなたのものかもしれません。
ステップ3 不安と距離をとる
不安の正体がわかっても、不安そのものがすぐに消えるとは限りません。そんなときに私がしているのが、不安と距離をとることです。
不安が大きいときは、不安に飲み込まれて、不安と自分が一体になっています。そこで、その不安を、宇宙のかなたに置いてみるイメージをします。そして、遠くに置かれた不安と、それを見ている自分を、もう一段上から俯瞰してみるのです。覚醒塾でも扱っている、不安を扱うワークの考え方です。私の場合、不安との距離感がとれると、不安に飲み込まれにくくなります。
これは、人間関係にも通じます。苦手な人、面倒な人がいるときも、同じようにその人を宇宙のかなたに置いてみます。すると、その人との関係に巻き込まれていた自分を、客観的に見られるようになります。少しずつ手離れしていき、巻き込まれなくなっていくのです。
距離がとれると、伝えたいことがあるときも、冷静になってから伝えられます。たとえば、先生に今の状況を相談してみるという選択肢があることを、子供に伝える。それを実際にやるかどうかは、子供が決めることです。
まとめ
今の私も、揺れる日がなくなったわけではありません。それでも、揺れたときに、感じきる、見極める、距離をとる、という3つの手法を使えるようになりました。そのうえで、息子に伝えたいことがあれば、冷静になってから伝えるようにしています。子供の領域は子供に返し、私は私の領域を整える。手をつけられるのはそこだ、というのが今の私の考えです。
- 子供の勉強へのイライラは、否定してふたをすると、形を変えてまた戻ってくる
- イライラを「子供の領域」「関係の領域」「私の領域」に分けると、手をつけられるのは「私の領域」だとわかる
- 私の領域でできる3つのステップは、①イライラを否定せず感じきる ②その不安が誰のものかを見極める ③不安と距離をとる
イライラしてしまうのは、それだけ子供のことを大切に思っているからこそ、なのだと私は思います。その気持ちごと、まずはあなた自身が受けとめてあげてください。
揺れた日は、自分の感情に気づき直すきっかけにもなります。イライラを、私の中の何かを知らせてくれる合図だと受けとめられると、少しずつ、自分の感情と仲良くなっていける。私はそう信じています。
よくある質問
Q. 子供の勉強を見るとイライラしてしまうのはなぜですか?
A. 勉強の進み具合という「子供の領域」のことと、「このままできないのではないか」「テストに間に合わないのではないか」という「私の領域」の不安が、1つのかたまりになっているからだと私は考えています。分けて見ると、イライラの多くが自分の不安から来ていることに気づけることがあります。
Q. 子供の受験が不安でたまりません。どうしたらいいですか?
A. まず、その不安が誰のものかを見極めてみてください。私の場合、息子の受験への不安は、自分が受験生だった頃の不安を重ねていたものでした。それでも不安が大きいときは、不安を遠くに置いて眺めるイメージで、距離をとってみてください。
Q. イライラしてしまう自分を責めるのをやめるには?
A. 感情に良し悪しはない、と知ることが出発点です。イライラを否定せず、「今、イライラしている」とありのまま認めて感じきってみてください。否定してふたをするより、感情が落ち着きやすいと私は感じています(個人差があります)。
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※私は民間資格を持つ感情カウンセラーです。この記事は個人の体験にもとづくもので、医療ではありません。
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